
今回は「交易生卦」のお話で、「山澤損 三爻」を例にとります。

これが「山澤損」ですね。「三爻」は黒くなっています。
「山澤損 三爻」は「三人行 則損一人 一人行 則得其友」さんにんゆけばすなわちひとりそんす ひとりいけばそのともをえる。
三人で行くよりも二人と一人になったほうが良い、ということです。
そういうイメージの卦ですね。結果的には「下から上に」のイメージですね。
これは「卦変」「交易生卦」のお話です。
「交易生卦」は、こういう「地天泰」「天地否」からの派生をたどる卦です。
交易生卦
泰から派生:蠱・賁・恒・損・井・帰妹・節・豊・既済
否から派生:噬嗑・益・困・随・漸・旅・咸・渙・未済
これはどういうことかというと。まず「地天泰」です。

地天泰(泰)
地天泰から、「三爻」の陽を「上爻」の陰と交換すると「山澤損」になります。

交換すると。

山澤損になるわけですね。要するに「山澤損」は元は「地天泰」だった、ということですね。
元は「山澤損」の「下卦」は「地天泰」だったから「三本の陽」だった。
ですから「三陽」を「三人」とします。でも、一本上に行った方が良いよ、ということです。
交易生卦 でなくとも「卦変」という技術なので覚えておくと便利です。
「地天泰」に戻ることを推奨しているともいえますね。
「卦変」からイメージストーリーを作ります、人間の思考パターンを究極的に単純化したのが「六線形」ですからね。どういじっても人間の考え方の原型になる。
それが「易」の素晴らしい所ですね。「六線形」が大変良くできています。
「山澤損 三爻」は「二爻」には比していて横の繋がりがありますが「四爻」には比していませんから、繋がっていません。
そうなると「下卦」にいた方が良さそうですが「上爻」には応じています。
よって、「上爻」と一緒になった方が建設的ですから、下卦と離れるわけですね。
行ったら「地天泰」に戻れる、といえますね。「地天泰」は易者さんが看板に使うような縁起の良い卦ですから。
だから、現状のままだと「疑い」が生ずるわけですね。
要するに収まるべき場所に収まるのが、大切。
そうでないと問題になる、疑いが生ず、ということです。人は離れるべき時が来ても感情的しこりで未練にすがりこだわるけど結局失う、というのがよくあることですからね。
技術的には「卦変」です。「交易生卦」の趣旨は以下のようになります。
🌿 交易生卦(こうえいせいか)とは
易経の繋辞下伝によれば、伏羲は 地天泰と天地否という二つの基本卦から、文明を支える道具や制度を発明した とされます。
この「卦の形から象(イメージ)を取り出す」技法は、現在の易学でも 取象(しゅしょう) と呼ばれ、卦を理解する上で非常に重要な体系です。
交易生卦では、
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泰(地天泰)から9つの卦が派生
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否(天地否)から9つの卦が派生 すると考えられます。
✨ 1. 泰(地天泰)から派生する9卦
泰は「天地が通じ、安泰である」状態。 ここからは 社会を整え、維持し、発展させるための制度や技術 が生まれます。
■ 泰から派生する卦
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蠱(山風蠱) 皿の上の虫を掃う。腐敗を正し、刷新すること。
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賁(山火賁) 装飾・文化・礼節。社会を美しく整えること。
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恒(雷風恒) 恒常性。夫婦の道、社会秩序を長く保つこと。
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損(山澤損) 下の余剰を削り上に奉じる。再分配・効率化。
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井(水風井) 井戸。共同体の中心を作り、養い、分かち合うこと。
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帰妹(雷澤帰妹) 嫁入り。婚姻制度・一族の結びつき。
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節(水澤節) 節度。制度や法による区切り。
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豊(雷火豊) 豊穣・盛大。交易による繁栄。
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既済(水火既済) 成就。物事が完成し整った状態。
✨ 2. 否(天地否)から派生する9卦
否は「天地が閉ざされ、通じない」困難な状態。 ここからは 逆境を突破するための道具・知恵・技術 が生まれます。
■ 否から派生する卦
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噬嗑(火雷噬嗑) 噛み砕く。障害を除く刑罰・市場の整備。
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益(風雷益) 増やす。舟や櫂の発明、下を富ませる。
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困(澤水困) 行き詰まり。困難の中で志を曲げず耐えること。
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随(澤雷随) 従う。時に応じて変化し、人々が喜んで従う仕組み。
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漸(風山漸) 進展。順序立てて進むこと。
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旅(火山旅) 旅・移動。火(文明)を広めること。
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咸(澤山咸) 感応。男女・万物が心を通わせること。
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渙(風水渙) 散らす。こだわりや困難を吹き飛ばし、離散を防ぐ。
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未済(火水未済) 未完成。既済の対。常に変化の余地を残す。
🌸 交易生卦とは何か
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泰 → 社会を整える9卦
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否 → 困難を突破する9卦
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伏羲が卦の形から文明の道具を発明したという伝統的思想
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現代でも「取象」の基礎として重要
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卦の形そのものが、制度・文化・技術の象徴となる
この交易生卦のイメージと卦の趣旨は一致しますよね🌸
🌸 はい、交易生卦のイメージと、実際の卦の“趣旨(テーマ)”はしっかり一致しています。 むしろ、交易生卦を知ると「なぜこの卦がこういう意味になるのか」が驚くほど分かりやすくなります。
🌿 交易生卦は「卦のテーマの源流」を説明している
交易生卦とは、
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泰(通じる世界)から生まれる9卦 → 社会を整える・発展させる卦
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否(通じない世界)から生まれる9卦 → 困難を突破する卦
という「卦の性質の根っこ」を説明する理論です。
つまり、 “どの卦がどんな世界観から生まれたのか” を示す体系。
だから当然、 卦の意味(辞・彖・象)と一致する のです。
✨ 具体例:山澤損(41)は「泰」から派生
泰(地天泰)は:
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通じる
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安泰
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調和
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社会が整う
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上下が交流する
という 安定した世界。
そこから派生する「損」は:
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下の余剰を上に奉じる
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再分配
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調整
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社会の秩序を整える
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過不足をならす
つまり 泰の“調和・安定”を維持するための技術。
交易生卦の説明と、損の卦辞・象辞の内容は完全に一致します。
🌸 他の卦でも一致している
たとえば:
■ 泰 → 井(水風井)
井戸=共同体の中心 → 泰の「安定・養う・通じる」の象徴
■ 泰 → 賁(山火賁)
装飾・文化 → 泰の「整う・美しくなる」の象徴
■ 否 → 困(澤水困)
行き詰まり → 否の「通じない・閉ざされる」の象徴
■ 否 → 噬嗑(火雷噬嗑)
噛み砕いて障害を除く → 否の「閉塞を突破する」象徴
どれも 交易生卦の“元の世界観”と卦の意味が完全に一致 しています。
✨ つまり
この交易生卦のイメージと卦の趣旨は一致しますよね🌸